みみの病気

病気の話

滲出性中耳炎

 

鼓膜の奥に液体がたまる中耳炎です。液体(滲出液)がたまると、鼓膜と耳小骨と呼ばれる音を伝える骨の動きが悪くなり、聞こえが悪くなります。幼少児と老人に多い病気です。難聴がほとんどない軽症もありますが、中等度難聴になったり、手術が必要になったりすることもあります。

原因

子どもの滲出性中耳炎の半分以上が、急性中耳炎が治りきらずに中耳に滲出液が溜まることで起こります。特に2歳までの滲出性中耳炎の多くは、急性中耳炎に続いて起こります。
耳管の機能障害があると、中耳の貯留液が排出されにくくなります。口蓋裂や鼻すすり癖がある場合には耳管機能障害になりやすく、滲出性中耳炎が起こりやすく、治りにくくなります。
また、耳管の出口である鼻の奥や上咽頭に病変があると、滲出性中耳炎を発症しやすくなり治りにくくなります。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、アデノイド肥大がある場合がこれに相当します。

症状

症状は難聴と耳閉塞感です。痛みや発熱がなく、難聴も高度でないため、小児では気づかれずに長期間見過ごされることもあります。
未治療の状態が続くと、難聴による言語発達の遅れが懸念されます。特に5歳以下の子には注意が必要です。

治療

大切なことは、最後までしっかり治療することです。放置すると慢性中耳炎などに移行することがあり、聴力低下が持続することがあります。耳と鼻は耳管という管で通じています。鼻の中をきれいにして、中耳を清潔にして、鼓膜の奥にたまった滲出液の排泄を促します。鼻の処置やネブライザーはこの中耳炎治療に必要なものです。
発症から3カ月くらいは鼓膜切開やチューブ留置をせずに薬で経過をみます。また診察室では器具を使って耳管から空気を中耳に送り込む治療(通気療法)も行っています。薬は粘膜の炎症を改善するためにL-カルボシステインを使用します。L-カルボシステインの効果はマイルドですが、副作用は極めて少なく、小児滲出性中耳炎に推奨される薬です。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎がある場合は、その治療も同時に行います。
長引く場合は鼓膜切開やチューブ留置の適応となります。

当院で対応できる症例は局所麻酔で行いますが、難しい症例は基幹病院を紹介して、全身麻酔で行っていただきます。

監修者情報


こだま耳鼻科クリニック院長こだま耳鼻科クリニック 院長 児玉 将隆

2000年2月に愛知県瀬戸市にこだま耳鼻科クリニックを開業。地域のニーズに的確に応える医療を目指し、耳鼻科医として20年以上診療を行っている。開業前には名古屋市立大学病院、豊田厚生病院(旧:加茂病院)にて勤務し、研鑽を積む。日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会認定耳鼻咽喉科専門医、日本気管食道科学会認定専門医、日本旅行医学会認定医。


 

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