感染症の病気

病気の話

コロナ後遺症

コロナ後遺症とは

新型コロナウイルス感染症に罹患して、治療後長期間にわたって嗅覚障害味覚障害咳が続くなどの後遺症がみられることがあります。新型コロナウイルス感染症との関連性や原因がはっきりとわかっていないことも多いですが、当院では症状や原因と疑われる病気を診察しながら、保険適用の範囲内での治療を実施しています

 

原因

コロナ後遺症の原因ははっきりとはわかっておらず、現在も研究が進められていますが、新型コロナ罹患時に現れた症状が悪化して別の病気を引き起こしている可能性があります。例えば、


副鼻腔炎
⇒鼻腔の奥の副鼻腔と呼ばれる空洞に細菌やウイルスが繁殖し、膿がたまる病気です。鼻詰まりや後鼻漏(のどの奥に鼻水が垂れてくる)症状がみられ、嗅覚障害や味覚障害と関係しています。
喉頭炎・咽頭炎・気管支炎
⇒のどの奥の喉頭や気管支に炎症が起きて、のどがイガイガしたり、のどの痛みが特徴的な病気です。咳が出やすくなることもあります。


などが関連して後遺症の症状がみられることがあります。

症状

コロナ後遺症では以下のような症状がみられます。
・嗅覚障害
・味覚障害
・咳
・呼吸困難
・頭痛
・発熱

ほかにも
・関節痛・筋肉痛
・倦怠感
・胸痛
・動機
などの症状がみられることもあります。新型コロナウイルスへの罹患による関連性は不明な症状もあり、耳鼻咽喉科での治療が難しい場合には内科や基幹病院へ紹介いたします。

 

治療

コロナ後遺症は一括りにすることは難しく、症状から原因と疑われる病気を検査して原因となっている病気を治療していくことが大切です。当院では、嗅覚障害や味覚障害(副鼻腔炎)、咳(喉頭炎、咽頭炎)の症状がある方に対して、症状、原因の特定をするべく以下の治療を行っています。

鼻腔のレントゲンやファイバー(内視鏡)、血液検査をおこなって、鼻やのどの状態、症状を診断いたします。症状に合わせて内服薬や点鼻薬、副鼻腔炎の場合には抗菌薬を使用して、症状の緩和や解消を図っていきます。
診察をご希望の方は、WEB予約をしてからご来院ください。

当院の診療対象

当院では新型コロナウイルス感染症罹患後、3週間以上経過しても以下の症状が続いている方へ診療を行っています。

・咳
・嗅覚障害
・味覚障害
※倦怠感や関節痛・筋肉痛などの症状は当院では治療できかねる場合がございますこと、ご了承ください。

手足口病

手足口病はウイルス感染によって、手のひらや足の裏、口の中に発疹が起こる病気です。夏から秋にかけて流行しやすい病気で、特に0~4歳頃の子どもがかかりやすいため注意の必要な病気です。

原因

コクサッキーウイルス(A6,A16)、エンテロウイルス71といったウイルス感染が原因となります。感染した人の咳やくしゃみによる飛沫感染や、飛沫や唾液などウイルスを含んだものを触った手で口や鼻などの粘膜を触って感染する接触感染が感染経路となります。また、便の中にもウイルスが潜んでおり子どものおむつを替えたり、お尻を拭いたりしたときに手にウイルスが付着して消毒をしないまま口や鼻を触って感染することもあります(糞口感染)。

症状

手足口病の症状で特徴的なものに、

・手のひら、足の裏に赤い発疹ができる

・口の中に水疱性の発疹ができる

・発熱(38℃以下がほとんど)

といった症状が見られます。

また口の中に水疱ができるためつぶれて潰瘍ができると口内やのどの痛みを訴えたり、食欲がなくなったり、唾液量が増えたりします。

治療

他のウイルス性感染症と同様に特別な治療薬はなく、症状を和らげる治療を進めていきます。手足のかゆみがひどい場合にはかゆみを抑える薬や口の中の痛みがひどい場合には痛みを和らげる薬を服用して症状が軽快するように注意して様子を見ていきましょう。

何よりも脱水症状を起こさないことが大切で、水分摂取を嫌がる場合にはぬるめのお茶やスポーツドリンクを少量ずつ口に入れたり、ゼリーやヨーグルトなどのど越しのよいやわらかいものを食べさせるようにしてください。

水分が取れない、食事も食べられない場合にはお早めにご相談ください。

監修者情報


こだま耳鼻科クリニック院長こだま耳鼻科クリニック 院長 児玉 将隆

2000年2月に愛知県瀬戸市にこだま耳鼻科クリニックを開業。地域のニーズに的確に応える医療を目指し、耳鼻科医として20年以上診療を行っている。開業前には名古屋市立大学病院、豊田厚生病院(旧:加茂病院)にて勤務し、研鑽を積む。日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会認定耳鼻咽喉科専門医、日本気管食道科学会認定専門医、日本旅行医学会認定医。


 

アデノウイルス感染症

アデノウイルスは夏に流行しやすい、ウイルス性の感染症です。

ウイルスの型が多く存在し感染する場所や型によって症状の現れ方は様々あります。

代表的なものに、咽頭結膜熱(プール熱)、ウイルス性胃腸炎といった病気があります。

原因

アデノウイルスというウイルスへの感染が原因となります。51種類もの型があると言われていますが、病気に関係するものは1~8型と言われています。様々な型があるため免疫がつきにくく繰り返し発症することもあります。

主な感染経路は接触感染と飛沫感染です。タオルを共有したり、食器を共有すると目や鼻、のどに潜んでいたウイルスが共有したものを介して移動して感染を引き起こします。

症状

アデノウイルス感染症の症状は感染する場所や型によって異なりますが、代表的なものとして

・発熱

・咳

・喉の痛み、腫れ

・下痢

・嘔吐、吐き気

・腹痛

・目の充血

・目やにが過剰に出る

といった症状が見られます。

治療

ウイルスが原因ということもあり、特別な治療薬はありません。症状は4~5日程度続くため、症状がひどい場合や脱水症状を起こしそうな場合には、発熱やのどの痛みを和らげるお薬を服用してウイルスが排出されるまで安静に過ごすことが大切です。

大人にも移ることのある病気ですので、食器の共有やタオルの共有は避けて、手洗い、うがい、消毒をしっかり行うようにしましょう。

 

監修者情報


こだま耳鼻科クリニック院長こだま耳鼻科クリニック 院長 児玉 将隆

2000年2月に愛知県瀬戸市にこだま耳鼻科クリニックを開業。地域のニーズに的確に応える医療を目指し、耳鼻科医として20年以上診療を行っている。開業前には名古屋市立大学病院、豊田厚生病院(旧:加茂病院)にて勤務し、研鑽を積む。日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会認定耳鼻咽喉科専門医、日本気管食道科学会認定専門医、日本旅行医学会認定医。


 

RSウイルス感染症

RSウイルス感染症は発熱や鼻水、特に咳が特徴的な症状のウイルス性の病気です。毎年秋~春と空気の乾燥した時期に流行しやすい病気ですが、近年では夏頃からの流行も見られる病気です。

原因

RSウイルスというウイルスへの感染が原因となります。誰しもかかったことのある病気で、生後1歳までに半数の方、生後2歳ごろまでにほぼ100%の方が感染すると言われています。主な感染経路は飛沫感染と接触感染で、空気感染することはないと言われています。

いわゆる風邪の一種ですが、感染力が強いことや生後3~4か月くらいまでに感染すると重症化しやすい病気ですので赤ちゃんがいらっしゃるご家庭では特に注意したい病気です。

症状

RSウイルスに感染すると1週間前後で以下のような症状が見られます。
・発熱
・鼻水、鼻づまり
・咳
・喘鳴(ヒューヒュー、ゴロゴロとした呼吸音)
特に咳や喘鳴といった症状が強く、ひどい場合には呼吸困難に陥ることもあります。

治療

いわゆる特効薬のようなものはなく、症状を和らげるための治療を進めていきます。鼻水が詰まっている場合には鼻水吸引を行って呼吸をしやすくしたり、端を出しやすくするお薬を服用したりします。熱が高くて食事を受け付けない場合には、解熱剤を使用することもありますが、発熱は身体の免疫機能が働いてウイルスと戦っている証拠ですので、頻繁に使用することは控えるようにしましょう。

監修者情報


こだま耳鼻科クリニック院長こだま耳鼻科クリニック 院長 児玉 将隆

2000年2月に愛知県瀬戸市にこだま耳鼻科クリニックを開業。地域のニーズに的確に応える医療を目指し、耳鼻科医として20年以上診療を行っている。開業前には名古屋市立大学病院、豊田厚生病院(旧:加茂病院)にて勤務し、研鑽を積む。日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会認定耳鼻咽喉科専門医、日本気管食道科学会認定専門医、日本旅行医学会認定医。


 

インフルエンザウイルス感染症

インフルエンザウイルス感染症は冬に流行する病気で、38℃以上の高熱や全身の倦怠感、関節痛など普通の「かぜ」と比べて重い症状が見られやすいことが特徴です。同じインフルエンザウイルスといっても、その年に流行する型は様々あり144種類以上の方があるともいわれています。そのため1つの型に感染しても別の型に感染して症状が繰り返すことのある病気です。また毎年10月ころ~1月ころにかけてワクチン接種をすることで、重症化や発症を軽減する効果が期待される病気でもあります。

原因

インフルエンザウイルスへの感染が原因です。インフルエンザウイルスには大まかに分けるとA型、B型、C型の3種類があります。主にA型が例年の流行を起こすことが多く、A型の中には変異型ウイルスなど昨今の大流行を起こすものもあります。

感染している人のくしゃみや咳による飛沫感染や、ウイルスのついたリモコンや手すりなどを介して感染する接触感染が主な感染経路です。ウイルスのタイプによっては、空気感染することもあるので流行期にはマスクの着用や空気の入れ替えなどの対策を心がけましょう。感染してから発症するまでは、1~5日の潜伏期間があるため感染した当初は気付かないことも少なくありません。

症状

・38℃以上の発熱

・頭痛

・悪寒

・咳

・鼻水

・全身倦怠感

・筋肉痛

・関節痛

・結膜の充血

などの症状が見られます。風邪に似た症状が見られますが、通常の風邪による発熱が37℃~38℃程度なのに比べてより高いことや全身倦怠感と全身症状がより強いことが特徴です。

検査

インフルエンザの検査は鼻やのどの粘膜から検体を採取して、検査キットで検査を行います。検査は15分程度で結果が出ますので、当日中に検査結果を確認して治療を開始できます。

治療

症状が出てから48時間以内に抗インフルエンザ薬を服用あるいは吸入することでウイルスの増殖を防ぎ、軽快に向かうことがあります。抗インフルエンザ薬の服用と合わせて、症状がひどい場合には症状を和らげるお薬を使用して体力の回復を図り、ウイルスが体外に排出されることを待ちます。

インフルエンザウイルス感染症の予防法

インフルエンザワクチンを接種することで感染後の発症を抑えたり、やわらげたりする効果が期待できます。ただし、ワクチンを接種したからといって感染しないというわけではありませんので、うがいや手洗い、消毒など感染対策をすることが大切です。

他にもインフルエンザの流行シーズンには人ごみを避けたり、空気が乾燥しないように湿度を50~60%に保つ、定期的に空気の入れ替えを行う、体力が低下しないように生活リズムや栄養バランスを整えることで発症しにくくなります。

家族内でインフルエンザ発症した場合は、予防薬の投与(自費診療)が可能です。

ご相談ください。

登園・登校の目安

インフルエンザは感染力が非常に強く発症すると感染拡大防止のために数日間は保育園や幼稚園、学校を休まなければいけません。学校保健安全法で、小学生以上の場合「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまで」幼稚園や保育園の場合「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後3日を経過するまで」出席停止とされています。

 

インフルエンザ出席停止目安(児童)

発症してから5日経過する前に解熱した場合でも、出席することはできません。お友達に感染を広げないためにも、決められた期間はしっかり休んで体力の回復や休養に努めましょう。

監修者情報


こだま耳鼻科クリニック院長こだま耳鼻科クリニック 院長 児玉 将隆

2000年2月に愛知県瀬戸市にこだま耳鼻科クリニックを開業。地域のニーズに的確に応える医療を目指し、耳鼻科医として20年以上診療を行っている。開業前には名古屋市立大学病院、豊田厚生病院(旧:加茂病院)にて勤務し、研鑽を積む。日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会認定耳鼻咽喉科専門医、日本気管食道科学会認定専門医、日本旅行医学会認定医。


 

溶連菌感染症

症状

のどの痛み、発熱や頸部のリンパ腺腫脹が起こります。
舌表面が赤くブツブツ(イチゴ状)になったり、全身に発疹が現れることもあります。

原因

A群溶血性連鎖球菌(溶連菌)という細菌に感染して起こります。
この菌は感染力が強く、一度かかると繰り返しかかることがあります。

検査

外来で簡易検査を行い、のどの粘液を取ります。数分で判定できます。

治療

抗菌薬を1週間程度服用します。薬を飲み始めて2〜3日もすると症状が軽くなりますが、症状が消えてもきちんと最後まで薬を飲み続けてください。
途中で薬を中断すると、再発したり、腎炎などの合併症を引き起こすことがあります。

 

監修者情報


こだま耳鼻科クリニック院長こだま耳鼻科クリニック 院長 児玉 将隆

2000年2月に愛知県瀬戸市にこだま耳鼻科クリニックを開業。地域のニーズに的確に応える医療を目指し、耳鼻科医として20年以上診療を行っている。開業前には名古屋市立大学病院、豊田厚生病院(旧:加茂病院)にて勤務し、研鑽を積む。日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会認定耳鼻咽喉科専門医、日本気管食道科学会認定専門医、日本旅行医学会認定医。


 

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