高山病
高地では、気圧の低下とともに、大気中の酸素分圧の低下が起きます。
例えば富士山頂(3,776m)では、平地と比べ気圧は約2/3、酸素分圧も50mmHg台に下がり、血中飽和酸素濃度も80%台にまで下がります。このような環境下では、体は低酸素状態となり、全身の臓器の浮腫が起こります。
高山病は一般的には、標高2,000m以上で起こるといわれ、症状としては頭痛、吐き気、全身倦怠感、めまいなどが起こります(山酔い)。
さらに症状が進行すれば、思考力低下や傾眠(脳浮腫)あるいは呼吸困難(肺水腫)になるといわれています。
予防としては、
- ゆっくりと高度を上げる
- しっかり水分補給する
- ちゃんとしたトレーニングを行う
- 基礎疾患がある方はそのコントロールをする
などがあります。
症状が出たら、下山と酸素が第一選択です。
薬剤の治療法、予防法もありますので、ご相談ください(薬剤は保険外となります)。
監修者情報
こだま耳鼻科クリニック 院長 児玉 将隆
2000年2月に愛知県瀬戸市にこだま耳鼻科クリニックを開業。地域のニーズに的確に応える医療を目指し、耳鼻科医として20年以上診療を行っている。開業前には名古屋市立大学病院、豊田厚生病院(旧:加茂病院)にて勤務し、研鑽を積む。日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会認定耳鼻咽喉科専門医、日本気管食道科学会認定専門医、日本旅行医学会認定医。