院長ブログ

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2023年6月 一覧

夏でも花粉症?イネ科花粉症

夏になっても花粉症?

花粉症というと冬~春にかけて、花粉が飛散するスギやヒノキが原因の花粉症をイメージされる方も多いですが、実は初夏~夏にかけて症状が出るイネ科の花粉症に悩む方も少なくありません。やっとつらいスギ・ヒノキ花粉のシーズンを乗り越えたけれども、その後も症状が続いている場合には、イネ科など夏の植物の花粉症を併発していることもあります。

カモガヤ

夏の花粉症の原因となる植物はどんなものがありますか?

イネ科の植物には稲(米)、小麦・大麦、トウモロコシなど食用として親しまれているものが多くあります。しかし、花粉症を引き起こす植物はカモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリなどの野草が大半を占めます。特に多いのは、カモガヤで河川敷や公園、空き地などによく生えています。スギやヒノキのように遠くまで花粉が飛ぶことはありませんが、半径数十メートルほどは花粉が飛散するので、イネ科の植物が生えやすい場所に近づかないように注意することが大切です。
カモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリ(チモシー)は、世界的に有名な牧草です。
家畜の餌になるのはもちろん、ウサギや鳥の餌にもなるので、小動物を自宅で飼おうと思われる方は、注意が必要です。
また、夏の終わりごろになるとヨモギやブタクサなどのキク科の植物にアレルギー反応を起こして、症状が出ることもあります。

 

夏の花粉症は春の花粉症と症状が違うの?

夏の花粉症もスギやヒノキの花粉症と同じようにくしゃみや鼻水、鼻づまりといった症状がみられますが、特に目のかゆみや充血などが出やすい特徴があります。

 

スギやヒノキの花粉症があると夏の花粉症にもなりやすいの?

一概にスギ花粉症があるから、イネ科の植物に花粉症になるとは言えません。スギ花粉症だけに症状が出る人やイネ科の植物だけに症状が出る方もいらっしゃいます。ただし、交差反応と呼ばれる現象があり、スギ花粉とイネ科の花粉の構造が似ているためにアレルギー反応が起こることもあります。他にもアレルギー症状を起こしやすい体質や生活環境によっても異なるので、症状が出てつらい場合や心配な場合には検査や治療をしていくようにしましょう。

イネ科の植物の花粉症はどうやって調べるの?
イネ科の植物の花粉症は、スギやヒノキの花粉症と同様に血液検査でアレルギーの有無を調べます。症状の出るシーズンや環境をお伺いして、予測を立てながら必要な項目を相談して検査を行います。

 

夏のイネ科花粉症の治療内容は?

イネ科の花粉症でも基本的な治療はスギやヒノキの花粉症と変わらず、出ているアレルギー症状を和らげるための治療をしていきます。
・抗アレルギー薬(飲み薬)
・点鼻薬
・点眼薬(目薬)
などが治療の中心です。

シーズン前のレーザー治療も有効です。

 

イネ科の植物に舌下免疫療法はできますか?

残念ながらイネ科の植物に対する舌下免疫療法は2023年時点では開発されておらず、舌下免疫療法はできません。夏に症状が出る場合は、ダニが原因でアレルギー性鼻炎の症状が出ていることもあるため、検査してダニアレルギー性鼻炎が原因と判明した場合には、ダニアレルギー性鼻炎の舌下免疫療法を行うことは可能です。

 

夏の花粉症はどうやって対策をしたらいいの?

当院のある東海地方では、例年3月下旬~10月ごろまでと長い期間イネ科の花粉が飛散すると言われています。マスクや花粉対策メガネなども花粉から身を守るには有効ですが、気温も湿度も高い気候の中、常に着用していると脱水症状や熱中症のリスクも高まるためが、外出するときに着用して、室内では外すなど適宜調整しましょう。またイネ科の植物はよくある雑草で、庭に生えることも多いのでご自宅の庭や駐車場に生えている場合には、除草するようにしましょう。

 

アウトドアでの花粉症対策はどうしたらいいですか?

夏と言えばキャンプやバーベキュー、川遊びなどアウトドアでの活動が楽しみな季節でもあります。夏の花粉症の原因でお伝えした通り、植物の生えている場所を避けることは大切ですが、避けられない場合や草木の多い場所でもできる花粉対策もあります。例えば、帽子はつばの大きいものをかぶって顔や目に花粉がつきにくくする、花粉のつきにくい素材(綿やポリエステルなどで表面のツルツルしたもの)を着る、アームカバーなどを使って花粉が付着しないように予防するなどが挙げられます。

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